アメリカの移民法と最近のビザ事情

米国は、200年以上前に建国されて以来、劇的に歴史が変化してきました。この変化に伴い、米国の移民政策は米国はもとより世界の経済的、政治的状況を反映して進展、変化を重ねてきました。20世紀後半までの米国の移民政策は、人口密度が低く、国を発展させるための労働力拡充の必要性から、極めて開放的でした。近年、ますます増加する不合法滞在者・就労者およびテロリストに対応するため、米国の移民政策は頻繁な移民法の改定により、複雑かつ制限的になってきました。従って米国の国内法の中でも、移民法ほど複雑でたえず改法がなされている法律はありません。
これらのことから、ビザ取得という目標を効率的に達成するためには、米国の移民法および規則をしっかりと把握することが一層重要となり、事前に専門家との相談の上で長期的な計画を立て、万全の準備のもとに対応する必要が出てきました。

2001年9月11日の同時多発テロ事件後、米国の移民政策は大きく変貌しました。
● 移民局
移民局が改編され、管轄が司法省から、新しく設立された国土安全保障省に移行され、国境警備と移民審査の2つの局に分けることでそれぞれの機能が強化され、名称もINS(=
Immigration and Naturalization Service)⇒BCIS=Bureau
of Citizenship and Immigration Services)⇒USCIS=U.S.
Citizenship and Immigration Servicesへと目まぐるしく変わりました。
● US-VISITシステム
また、ブッシュ大統領がPATORIOT Act(=The .Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism (USA PATRIOT). Act of 2001)にサインし法案化され、テロリズムの定義が拡大化され、入国拒否や国外追放規定を助長する政策が始まりました。
特に、US-VISITシステム(=The U.S. Visitor and Immigrant Status Indication Technology system、生体認証バイオメトリクス監視システム)の導入の影響は大きく、デジタル顔写真・デジタル指紋・あるいは虹彩等、少なくとも2種類の生体情報の確認による出入国管理を行うことで、合法的な訪問者には入国を容易にする一方、不法に入国しようとする者には生体認証で書類の真贋を見極め、安易な入国が阻止されるようになりました。これに関連して、ビザやパスポートにもバイオメトリックス(生体情報)への切り替えが適用または進められています。そのため、ほぼ全てのビザ申請者に対しては面接が義務付けられることになり、出入国の際にも生態情報を採取されるようになり、更にビザウェーバーでの入国者に対しても出入国の際の生体情報採取の実施が進められております。また、ビザ免除プログラム参加27カ国に対してバイオメトリクス対応のパスポート(IC旅券)の導入は、2006年10月26日よりスタートの予定です。
● データベースの改良
様々な機関との連携によるデータベースの改良により、データベース上で身元照会の対象となると米国政府関係省庁からクリアランス(SAO =Security Advisory Opinion)を受けなくてはなりません。たとえば「NCIS
(=National Crime Information Center)」は、過去の逮捕歴を瞬時に識別するFBIが管理する逮捕歴データベースで、最終的に無罪になったとしても「逮捕歴あり」ということで身元照会の対象となります。
また、Mantisプログラムは、軍事など米国外へ流出させてはいけない技術への転用を阻止するためにTechnology Alert Listに基づく技術者の身元を照会するデータベースで、民事の技術であっても軍事目的に転用できる技術をもつ場合は対象となります。Technology Alert Listは10ページに及ぶ広範なもので、身元照会となった場合はクリアランスまで時間がかかりますので技術系のビザ申請者は注意が必要です。

米国で事を起こすのはそれほど難しいことではありません。現在では物理的には、日本に居住したままでも米国の学校の入学許可証も取得できますし、米国法人を設立する事もできます。また、株や不動産の購入も自由にできます。
しかし、このような時代になった今でも人的行動には米国のみならずどの国も未だに厳しい制約処置をとっています。物理的な行動は別として、米国内で人的行動を望むのであればその許可書であるビザを取得しなければなりません。ビザを取得することにより実際に米国で合法的に居住し、行動がとれるのです。
米国移民法をあまり理解していなかったばかりに金銭的問題を含む全ての計画にダメージを与え、人生設計をも狂わすことが往々にして起こります。この様な悲劇は事前に回避できる問題なのです。ビザを確実に取得するには米国移民法を良く理解した上で、専門家に依頼することが成功への近道です。まず、米国で行動を起こす以前に(または後であってもなるべく早く)、ご本人もしくはご家族の将来の計画をしっかり立て、知識が豊富で経験豊かな専門家にまず相談をし、長期的な計画に基づいてビザを取得することが賢明です。

米国ビザの種類
ビザの種類を表しているアルファベットや数字は単なる便宜上の記号であり意味は持っていません。

| Family Sponsored |
家族スポンサー移民 |
Employment Based |
雇用移民 |
(関連項目) 米国法人設立
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